「ソラナの時代は終わるのか？」——仮想通貨市場にそんな衝撃を与えるニュースが飛び込んできました。
分散型デリバティブ取引所「ハイパーリキッド（Hyperliquid）」が驚異的な成長を遂げ、2025年7月のネットワーク収益シェアでブロックチェーン全体のトップに躍り出たのです。米資産運用会社ヴァンエックの最新レポートによれば、この急成長は主に「ソラナ（Solana）」のユーザーを奪った結果だと指摘されています。
この記事では、今まさに市場の主役になろうとしているハイパーリキッドの強さと、仮想通貨市場の新たな地殻変動について、初心者にも分かりやすく解説します。
ネットワーク収益の35%を独占！ハイパーリキッドの圧倒的な存在感
ヴァンエックの月次レポートによると、ハイパーリキッドは7月にブロックチェーン全体のネットワーク収益のうち、実に35%を占めるという驚異的な数字を記録しました。
これは、これまで市場を牽引してきたソラナだけでなく、イーサリアム（Ethereum）やBNBチェーンといった巨大プラットフォームのシェアをも侵食する形で達成されたものです。
「ハイパーリキッドは、シンプルで高機能なプロダクトを提供することでソラナの勢いを奪い、時価総額すらも取り込んでいる可能性がある」（ヴァンエック レポートより）
この一文からも、ハイパーリキッドが単なる一時的なブームではなく、市場の構造そのものを変えかねないポテンシャルを秘めていることが伺えます。
なぜユーザーはソラナからハイパーリキッドへ移動したのか？
では、なぜこれほど多くのユーザーが、実績のあるソラナから新興のハイパーリキッドへと流れているのでしょうか？
その最大の理由は「優れたユーザー体験（UX）」にあります。
レポートによれば、ソラナは信頼性の問題やソフトウェアのアップグレード遅延などに直面していました。特に、価格変動を利用して利益を狙う「永久先物（パーペチュアル）取引」において、ユーザー体験の改善が思うように進んでいなかったのです。
その隙を突くように、ハイパーリキッドはよりスムーズで直感的に使えるデリバティブ取引プラットフォームを提供しました。結果として、「ソラナの高価値ユーザーを引き抜き、定着させる」ことに成功したのです。
数字で見るハイパーリキッドの止まらない勢い
ハイパーリキッドの成長は、具体的な数字にもはっきりと表れています。
- 建玉（未決済の契約総額）：153億ドルに到達（年初来で369%増）
- ブリッジされたUSDC：51億ドルを突破
- 7月の取引高：26億6000万ドル
- 7月の手数料収入：130万ドル
- 7月の新規ユーザー数：2万900人
さらに、人気のウォレット「ファントム・ウォレット」と連携したことで、ユーザーはアプリ内でシームレスに永久先物取引を行えるようになり、これが爆発的な成長を後押ししました。
【簡単解説】永久先物（パーペチュアル）とは？満期日がないデリバティブ（金融派生商品）契約のこと。通常の先物取引と違い、ポジションを好きなだけ保有し続けることができるため、仮想通貨の長期的な価格変動を狙った投機的な取引で人気があります。
プラットフォームの好調を映すネイティブトークン「HYPE」
プラットフォームの成功は、そのネイティブトークンである「HYPE」の価格にも反映されています。
HYPEは4月初旬には10ドル強で取引されていましたが、7月14日には過去最高値となる49.75ドルを記録。わずか3ヶ月ほどで約5倍に高騰しました。
対照的に、ユーザー流出が指摘されるソラナのネイティブトークン「SOL」は、1月の高値から44%下落しており、両者の明暗が分かれる形となっています。
まとめ：次なるチャンスを掴むために
ハイパーリキッドの台頭は、仮想通貨市場がいかにダイナミックで、常に変化し続けているかを象徴する出来事です。昨日までの勝者が明日も勝ち続けるとは限らず、優れた技術やサービスを持つ新しいプロジェクトが、いつでも市場の主役に躍り出る可能性があります。
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