EthereumのLayer2プロジェクト Scroll のガバナンスを担っていた Scroll DAO が、主要メンバーの辞任と今後の方向性に対する不透明性を理由に、ガバナンス活動の「一時停止(Pause)」を宣言しました。
DAOガバナンスは「ストップ」ではなく「一時停止」
直近のデリゲート・コールにおいて、コミュニティ代表の Olimpio 氏はガバナンス活動を「中断」すると発表。ただし「ストップ」や「解散」ではなく、あくまで「ポーズ」だと強調しました。提案自体はプラットフォーム上で公開されたままですが、その扱いについては未だ不透明です。
Scroll共同創業者 Haichen Shen 氏も「ガバナンスの再設計中」と述べましたが、具体的なロードマップや再開時期については提示されていません。
鍵となるリーダーの辞任
今回の混乱に拍車をかけたのは、Scroll DAOの主要リーダーであった Eugene Chen 氏の辞任です。
彼は「ガバナンスを最小化しようとする最近の方針に賛同できない」として、9月30日を最後にDAOを去る意向を表明。「現方針ではScrollに残ることは正当化できない」と述べ、DAOの方向性に疑念を投げかけました。
また、ガバナンスメンバーの Jamilya K 氏もショックを隠せず「この空間に参加したのは既存体制への抵抗の象徴だったから」と振り返り、今回の事態は依然として整理できていないと心境を語りました。
提案は宙に浮いたまま
ガバナンス停止により、すでに提示されていた以下の提案が未決状態となっています。
- ガバナンス評議会の形成
- 2025年5月~12月の貢献者認定プログラム
- トレジャリー運用に関する提案依頼(RFP)
- タイムロックテスト
DAOの存在意義である「コミュニティ主体の意思決定」が止まり、$SCR トークン保有者は今後の道筋を待つしかない状況です。
Scroll DAOの意義と今回の打撃
Scroll DAOは、プロジェクトの「段階的な分散化(progressive decentralization)」戦略の核心を担っていました。$SCR トークン保有者に投票権を与え、開発方針や資金の運用、貢献者の評価などを民主的に進める構想でした。
しかしDAOが「一時停止」に追い込まれた今、このビジョンは大きな後退を余儀なくされました。リーダー層の離脱、「ガバナンス最小化」へのシフト、そして「実験」という言葉が繰り返されるなかで、Scrollは再び中央集権的な形へ揺り戻される可能性も浮上しています。
投資家への示唆
今回の事例は、DAOや分散型プロジェクトが「人」と「ガバナンスの合意形成」に強く依存していることを改めて示しました。分散化を掲げるプロジェクトも、運営陣の方向転換や内部対立によって停滞するリスクがあるのです。
暗号資産投資やWeb3の進化に興味を持つ方にとって、こうしたニュースは「プロジェクトの技術」だけでなく「運営体制」や「コミュニティの健全性」を重視する必要性を教えてくれます。
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